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Wine ワインとは
Wine(ワイン)は日常的に飲まれるアルコール飲料(果樹酒)で、外観や香りや味わいを鑑賞する嗜好品としても高い地位を獲得おり、 近年ではコレクションや投資の対象としても大きな注目を集めています。
原料と製法による酒類の分類

お酒は大きく4つのタイプに分類され、材料が「穀物か果実」と製法が「醸造か蒸溜」の4つ分類され、 ワインは「果実」原料の「醸造酒」になります。
蒸溜酒をつくるためにはまず醸造酒をつくって、それを蒸溜する必要があります。
ワインを蒸溜して出来るお酒が「ブランデー」です。
混成酒はどのタイプのお酒からもつくられるもので、お酒にハーブや果実などの成分を抽出したものです。
日本で最も良く知られているものとしては「梅酒」が挙げられます。
Wine ワインの分類
スティルワイン
スティルワインは赤・白・ロゼという、いわゆる普通のワイン。ワインという言葉は下表4つのカテゴリーを全て含んだものの総称となりますので、普通のワインの正式名称はスティルワインです。これは泡立ってシュワシュワ動いているスパークリングワインに対して、じっとしているワインという事でこういう名前になっています。
スパークリングワイン
スパークリングワインはご存知の通り、中に炭酸ガスを含んだもの。しっかり発泡するタイプと微発泡のタイプがあり、ほとんどの国では呼び名も異なります(例えばフランスではしっかり発泡はヴァン・ムスー、微発泡はペティヤンと言います)。
フォーティファイドワイン
フォーティファイドワインはワイン(もしくはぶどう果汁)にブランデーなどの強いアルコールを持つお酒を加えて、全体のアルコール度数を高めたもの。通常のワインより高めの15%~20%を超えるアルコール度数を持ちます。アルコール度数が高い方が保存性が高まるので、暑い国々で発展しました。
フレーバードワイン
フレーバードワインはワインに何かの風味が加わったもの。最近人気のサングリアはワインに果物や スパイスを加えたもの。カクテルのマティーニの原料として知られるベルモットも実はワインの1種です。ギリシャのレッチーナのようにワインに松脂を加えた珍しいものもあります。
種類 | 特徴 | 代表的なワイン |
炭酸ガスを含まないワイン(赤・白・ロゼという、 いわゆる普通のワイン) | ||
スパークリングワイン (発泡性ワイン) | 泡を含んだ発泡性のワイン | シャンパーニュ(フランス) カヴァ(スペイン) スプマンテ(イタリア) ゼクト(ドイツ)など |
フォーティファイド (酒精強化)ワイン | ワイン(もしくはぶどう果汁)に度数の高いアルコールを加えたワイン | シェリー(スペイン) ポート、マディラ(ポルトガル) マルサラ(イタリア) |
フレーバードワイン (アロマタイズドワイン/香味付けワイン) | ハーブや果実、蜂蜜等を加えて、独特の風味をつけたワイン | サングリア(スペイン) ベルモット(イタリア等) レッチーナ(ギリシア)など |
Wine ワインのブドウ品種
ブドウの品種によりワインの味わいや香りが変わります。ワインに使われている主なブドウ品種について紹介をします。
赤ワインの主な品種

カベルネ・ソーヴィニヨン
Cabernet Sauvignon

メルロー
Merlot

ピノ・ノワール
Pinot Noir

マスカット・ベーリーA
Muscatbailey A
白ワインの主な品種

シャルドネ
Chardonnay

ソーヴィニヨン・ブラン
Sauvignon Blanc

甲州
Koshu

リースリング
Riesling
Wine ワインの産地
世界各国で生産されているワイン。その国ごとに様々な個性を持ち、人々に愛されています。 フランス、イタリア、ドイツをはじめとしたヨーロッパの銘醸ワインが有名ですが、 「新世界(new world)」と呼ばれる国々のワインも品質が高くてリーズナブルで、近年とても注目されています。 ヨーロッパと新世界合わせて14ヵ国のワインの特徴について紹介をします。
ヨーロッパ(伝統国 traditional country)
新世界(New world)
Wine ワインの世界史
古代オリエントからヨーロッパ、さらには新世界へ。ワインの広がりは、人類の歴史と重なっています。

5000 B.C. 神々のワインは、西へ。
ブドウの原種は、すでに300万年前には地上に繁茂していたと言われています。糖分をアルコールに分解する酵母は、さらに古く数億年前から存在していましたので、人類はワインを発明したのではなく、発見したと言えるでしょう。 文献でもっとも古いのは、メソポタミア文明の頃、今からおよそ6000~7000年前の出来事を書いた「ギルガメッシュ叙事詩」です。大洪水に備えた船を建造したときに水夫にふるまったとされています。エジプト王朝は、今から5100~3500年ほど前に栄えましたが、第一王朝のころから壁画にはワインの圧搾機や壷が描かれています。オシリスがレバノンのワインに魅せられて広めたと言われています。また、ギリシャには、かの酒神ディオニソス(バッカス)がもたらしたとされています。 これらの言い伝えから、古代、コーカサスに自生したブドウがワインとなって、地中海を東から西へ、数千年かけて伝播していった足跡が見られます。神々の時代、ワインは東からもたらされた貴重な産物だったのです。
アンフォラ
初期のワイン造りでは、素焼きの壷「アンフォラ」が使用されていました。
アンフォラを地中に埋めて、ワインを保存していたようです。

100 A.D. ローマ帝国の栄華とともに。
ローマの戦士たちは、戦争で赴くその道の脇に、農作物の種を蒔いたと言われています。それは戦火の元でも食料の確保を怠らなかった彼らの智恵ですが、同時に征服した土地に新しい文明を定着させていったことのたとえでもあります。 ジュリアス・シーザー(BC102~44)の功績はガリア戦記に詳しいところですが、彼の足跡は、現在のワイン王国フランスにワイン造りを伝えた道程だったとも言えるでしょう。マルセイユから真北に向かって河を遡ると、コート・デュ・ローヌ、ボージョレー、ブルゴーニュ、アルザス、さらにその西にはシャンパーニュと、現代のフランスワインの偉大なる地方に至ります。シーザーが征服していた地域もまさにここでした。 また、地中海に面したマルセイユから大西洋へのもっとも近道が、ガイヤック地方を経て西に向かうルートです。ガロンヌ河を下り海に出る、その河口がボルドーになります。ここからブリタニアへは海路があり、イギリス人はボルドー産のワインのことを「クラレット」と呼んで親しんでいました。
「ワインを造る大地」
古代ローマにワイン造りをもたらしたのはキリシャ人でしたが、イタリア南部やシチリア島の気象条件や土壌がワイン造りに適していることに感動し、「エノトリーア・テルス(ワインを造る大地)」と呼んだと言われています。

1000 A.D. キリストの血は、人々に。
中世のヨーロッパを語るとき、キリスト教の存在はたいへんに大きな背景となります。街はその大小に関わらず教会を中心に放射線状に形作られ、周囲を農耕地や牧草地が囲んでいました。優れた文化、芸術はキリスト教のために捧げられ、神と人との社会が構築されていたのです。そのなかでワインは、キリストの血としてたいへん神聖な、そして貴重なものとして珍重されていきました。 当時の学術の最高峰であった教会、修道院は、こぞってブドウ畑を開墾し、その技術を磨きました。14世紀、ルネッサンスの華が開き、人々の古代ギリシャやローマへの憧憬はいやがおうにも高まります。さらに16世紀から18世紀にかけての華麗なる宮廷文化。それを彩ったのもまた、良質のワインでした。 当時の王族、貴族、僧院はその技術の粋を集めて、質の高いワインを造り出したのです。そして、17世紀末には、現在のように瓶詰めされてコルクで栓をしたワインが発明されました。
「ワインは我が血」
キリスト教の布教とともに、ミサ用のワイン需要が高まりました。修道士、修道院によって、ワインはヨーロッパ全土へ広がったのです。

2000 A.D. 新大陸へ、そして世界へ。
現在地球上には、約3万品種ものブドウが栽培されていると言われています。そして驚くべきことに、その90%はワインの原料として使われています。この多くはヨーロッパ種(ヴィティス・ヴィニフェラ)です。しかもそれらは全世界で栽培されているすべての果実の50%に達しています。 16世紀の大航海時代から、ヨーロッパのワインは世界中へと広がりますが、そのなかでもここ数十年の世界のワインの品質の向上には目を見張るものがあります。 実はブドウは、地域性が非常に強い植物で、あちらのブドウをこちらに植樹したからといって簡単に同じものが実をつけるとは限りません。にもかかわらず、土壌、気候など、ブドウにあった土地を選択し、伝統技術と近代技術を駆使して行われる現代のブドウ栽培は、アメリカはもとよりオーストラリアや日本でも、素晴らしい成果を収めてきました。
新世界(new world)ワインの始まり
ワインの始まり16世紀、スペインによってブドウが持ち込まれ、アメリカ大陸でもワイン造りが始まりました。 17世紀にはオランダによって南アフリカへ、18世紀にはイギリスによって南半球のオーストラリア、そしてニュージーランドへと伝わります。 これら新たに生まれたワイン産地は、「新世界」と呼ばれています。

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。